
塩素系と酸素系の漂白剤の違いが分からない。そもそも漂白剤が何か分からない。漂白剤を使う理由も。という方は多いと思う。住宅に携わる仕事をしているにも関わらず、過去の私は恥ずかしながらその1人だった。クリンネストとして掃除のプロフェッショナルになった今、その違いを解説したい。掃除で悩んでいる方は参考にしてほしい。
漂白剤ってなに?
漂白剤って簡単に言うと汚れやシミ・黄ばみの色素を化学反応によって分解して白くしたり消毒・除菌できる物質のこと。
もっと簡単に言うと白くさせる働きのある物質。それが漂白剤。
塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違い
漂白剤が分からなくなる最大の理由が、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤とよく似た名前の漂白剤があるからだと思う。非常にややこしく、そしてそれぞれの用途は全く異なる。名前を見た瞬間、思考が停止する。
なので分かりすく解説してみる。
塩素系漂白剤の成分と特徴
塩素系漂白剤の主成分は、次亜塩素酸ナトリウム。この成分のとっても強力な酸化作用(化学反応)によって、漂白・殺菌・消臭の効果を発揮する。
酸素系漂白剤の成分と特徴
酸素系漂白剤の主成分は、 過炭酸ナトリウム(粉末、弱アルカリ性)や過酸化水素(液体、弱酸性)。こちらも酸化作用(化学反応)によって漂白・除菌・消臭の効果を発揮します。
塩素系と酸素系の違い
まだよく違いが分からないから表にしてみる。
とにかく塩素系は非常に強力。酸素系はやさしいっていう感じ。
塩素系 漂白剤 | 酸素系 漂白剤(粉末) | |
主成分 | 次亜塩素酸ナトリウム | 過炭酸ナトリウム |
液性 | 強アルカリ性 | 弱アルカリ性 |
形状 | 液体 | 粉末 |
漂白力 | 非常に強力(白物専用) | やさしい(色柄物にも使用可) |
除菌・消毒力 | 強力(ウイルス・細菌にも有効) | マイルド(食器や布製品の除菌に) |
適した用途 | 白物衣類の漂白(黄ばみ・黒ずみ) カビ取り(浴室・タイル・ゴムパッキン) 食器・まな板の除菌 トイレ掃除(強力な除菌・消臭) | 色柄物・白物衣類の漂白 布製品の除菌(赤ちゃんの服・ふきんなど) 食器やまな板の除菌(マイルドな効果) 風呂釜・排水口の掃除 |
注意点 | 酸性のものと混ぜると有毒ガス発生! 金属・ウール・シルクには使えない | 高温(40~50℃)で効果UP ウール・シルクには不向き |
塩素系漂白剤の使い方と注意点
塩素系の漂白剤は白い洋服の漂白に使われる。ただとても強力な漂白=白くさせる効果があるので、黒ズミ(黒カビ)除去にも使われる。
なぜ浴室などの黒カビが塩素系漂白剤で取れるのかなと思っていたけど、強力な漂白=白くさせる効果があるから黒ズミ(黒カビ)が取れると理屈が分かると納得できた。
洗濯機での塩素系漂白剤の使用法
洗濯機の洗濯槽って洗剤カス・皮脂汚れ・カビがたまりやすくて、放置すると黒カビや悪臭の原因になる。
だから強力な塩素系漂白剤を使うことで、漂白・除菌・消臭ができる。
キッチンでの塩素系漂白剤の使用法
まな板やふきんは菌が発生しやすく不衛生になりがち。
だから強力な除菌塩素系漂白剤で 除菌・消臭・漂白ができる。
体への影響と安全な使用方法
強力な物質だからこそ、正しい使い方と注意点を守ることが大事。
・酸性のもの(クエン酸や酸性洗剤)と絶対混ぜない。有毒な塩素ガスが発生してとても危険。塩素ガスは独特の刺激臭で人体に影響を与える。
・金属の製品には長時間使用しない(サビるから本当に漬け置きなんかは絶対やめてほしい)
・手袋を着用して、必ず換気しながら使う。
酸素系漂白剤(粉末)の使い方と注意点
酸素系の漂白剤(粉末)は、やさしい漂白力と除菌・消臭効果があるので、色柄物の洋服や赤ちゃんの衣類にも安心して使える。また液体タイプの酸素系漂白剤よりも漂白・除菌・消臭効果は強い。
洗濯での酸素系漂白剤(粉末)の効果
酸素系漂白剤(粉末)は色柄物の洋服にも使えるので、頑固な黄ばみのシミ抜きの漬け置き洗いに最適。また菌の繁殖を防ぐので部屋干しでも塩素系漂白剤(粉末)を使えば洗濯物が臭いにくい。
掃除での酸素系漂白剤(粉末)の効果
酸素系漂白剤(粉末)は洗濯槽の掃除ができる。本当にキレイになるか試す予定なので改めて結果を報告する。
極論、過炭酸ナトリウムの原料さえあれば、洗濯槽の掃除や洋服やふきんの漂白・除菌・消臭も使えるので原料の購入をおすすめしたい。メーカーの洗濯槽専用の洗剤と命名された商品をわざわざ買わ必要はない。原料さえあればいろいろと汎用性できて経済的。なかなか教えてくれない事実。
注意が必要な素材
・水洗いできないもの。例えば革製品やウール・シルクなど。
・やさしい漂白剤だけど長時間漬け置きしすぎると素材を傷めることもある。
まとめ 塩素系は強力、酸素系はやさしい
漂白剤は漂白・除菌・消臭ができる。そして塩素系漂白剤は強力、酸素系漂白剤(粉末)はやさしい。この程度を理解しておくだけで洗濯・掃除の際に洗剤の表記を理解し使いこなせる。
あとは、実際に塩素系と酸素系を購入して使ってみることのが一番。